★継続車検取得を御依頼の
HARLEY-DAVIDSON '01 XL1200L
初めてご来店頂いた方です。

前々回?触りだけ記述しましたが 詳細をアップします。
★走行中にプライマリー廻りから異音がする との事で修繕の御依頼。
●単純に 1次ドライブチェーンの張り調整だろうと高を括ってましたが・・・
張り調整に問題は無く・・・ テンショナーのキャパもまだ余裕・・
試乗前ですが 当方が気に成ったのは
アイドリングでクラッチを切った時の 擦れるようなシャダー音・・


●スラッジも有りますが、酷使したエンジンオイルかのように黒いオイルが気に成ります・・
トランスオイルでこんな色は過去見たことないですね・
ケースを開けます。

★クラッチを切った時のシャダー音(キュルキュル)の原因は
[ クラッチレリーズのベアリング ]の摩耗と思います。


★アジャストスクリュー ガタガタに動きます・・
●単体で空転させると ゴリゴリします。(*擬音は人それぞれ感じ方が違うので・・)
ベアリング ✖ですね 交換します。
*通常このベアリングに損傷がある時の事例としては
シフトチェンジが急にできなくなる というトラブルが多いのですが。
均等に押し下げられなく異音が発生したとも考えられます。

ベアリングだけ打ち換える事は可能ですが
各部に摩耗も見られ 安価で入手可能な為、
〇アジャストスクリュー 94-03y XL/OEM/11752, EASTERN/A-11752 (社外¥1.620-)
〇クラッチスクリュー・ベアリングガイド 91y-XL OEM/36731-91 (社外¥2.710-)
〇プレッシャープレート・リテーニングリング 90y-BT,91-20yXL (社外¥598-)
〇クラッチアジャスター・リテーニングリング 84y-XL,OEM/11046 (社外¥108-)Assyで交換します。
★クラッチレリーズベアリング HD純正品番は[ 8885 ] 85-12yXL ¥3.200-位ですが
日本製 NTN6200 が同等品で ¥470-だったりしますw
U.S.Aから取り寄せたら 日本製だったなんて事は多々あります
★日本国内でハーレーを生産していた歴史があり
その流れで今でも 国内企業・生産の部品は多いです。
*製薬会社 三共(現 第一三共)の傘下企業「日本ハーレーダビットソンモーターサイクル」
1934年(昭和9年)サイドバルブ VL/1200ccとか
1935年型(昭和10年)モデルR/750ccとか ジャパンメイドです!
[ 陸王 ]の名を知る方は多いのでは。
話がまた逸れてしまいましたが・・
当方は同等品がある場合 安価で高品質な日本製を使用する事が有ります。

★ NTN製ベアリング 少量ですが ストックしてます。
今回は NTN6200より より耐久性・耐摩耗性が高いという
NTN7200(¥1.810-)を使用しようか検討中。

★左 NTN6200 ボールベアリングがストックと同じ8個に対し
★右 NTN7200は ボールベアリングが10個

★NTN7200 裏側(車体側)は補強というかシール性が高くなってます。
*高耐久性は望めますし よりストレス無く回ると思いますが
潤滑性はどーだろ? と、ちょっと疑問もある為、お客さんの車両で試すのは今回見送ります。
*トラップドア・ベアリング(小 oem/8998,大 oem/35030-89)
*クラッチハブ・ベアリング(oem/36799-91)
*メイン(5spギア)・ベアリング(oem/8996A)も同等品がありますよ。

★クラッチレリーズの問題は、走行時の異音とはまた異なる為
(*全く無関係とは言えませんが)
オーナーさんに現状をお話し その上でミッション バラシの御依頼を頂きました。

★[ ディテントプレート ]の表面に擦れた形跡があります・・・
*ミッション バラシます。
-03y XL までは ゴソっとケースから外せるので まだ楽です。
●車体右側は エキゾースト外し、フットブレーキ類、2次ドライブのフロントプーリーを外し
ミッション側はシフターアーム等 外し ボルト5本抜けば
ゴソッと抜き出せます!


★[ シフタードラム ]のピンが出てきてしまってます・・
[ ディテントプレート ]が並行じゃなく傾いてしまってますね・・
これでは シフトアップ・シフトダウン時にかなり不具合あったハズですが・・
ディテントプレート自体の摩耗等は全然許容値です。
ピン打ち直し、リテーニング交換します。
*こちらも対策品がリリースされてますが今回は修繕のみ。

★空転でトラップドアのベアリングには 嫌な感覚無く、現状で良いと思います。
当方としては せっかく開けたのなら全て交換したい気持ちがありますが・・

★各ギア、偏摩耗や欠け等なく 良好!〇
★[ シフトフォーク ]も当り面の摩耗等 極小で 良好! 〇


★[カウンターシャフト]と[シフターフォークドラム]のエンド・ベアリングは
大事とって交換。
★欠けや摩耗等 大きな損傷は見受けられず なんとも微妙な感じ・・
*異音の感じ方は オーナーさんと当方とでは異なる為、
原因を探す為 ディスカッションで当りは付けますが 実際にはバラスしかないですね。

★[プライマリーカバー]等 各所にてんこ盛りもコーキング・・
テンショナーのアジャスターは調整不可な程 打たれていた為 修繕。

★組み直して行きます。
*年式、モデルにより各部締め付けトルクはマチマチで・・
マニュアル揃えるのは まぁ膨大な費用となります

*トルクレンチ 上記3種 メインで使用してます。
最長は 300N.mまで対応モノです。
★車両 組み上げて、本日2回試乗しましたが
主観で異音は有りません。
走行中にプライマリーから異音 というのは ミッションの問題ではなく
クラッチレリーズ・ベアリングの損傷による シフトアップ・ダウン時のシャダー音だったのでは?
*現状 1速から2速に若干飛び込みやすい症状が出ています・
対策品のディテントプレートに交換すれば より良くなりますが。
*車検整備・並行の為 画像は前後しますが


★御預かり時 エンジンの掛かりが悪いとの御相談も有りました。
★エアクリーナー・エレメント 交換
今回は洗浄し繰り返し使用できる K&N製に交換です。

★オイルフィルター 交換しようとしましたが、
なんか小さい・・・当方のフィルターレンチより径が小さく 回せません・
[ PIAA ]製のフィルターが組まれてます・
ネジ径は同じですが 車用ですね・適応表に ハーレーは有りません・
★この車両、ブレーキフルード フロントはDOT4(グリコール系) リアはDOT5(シリコン系)指定ですが
リアにDOT4が入れられてます・・(混ぜると凝固しますよ・)
いろいろ不可解な事が多い車両です・
★ACのブローバイ部も 大量のコーキング・・
漏れる・滲むからコーキング は✖です ナイロンワッシャーで修繕



★リフター廻りにも 大量のコーキング・・
本来なら腰上バラシ ガスケット交換という内容ですが、
現状 漏れが無いことから、現状維持でとの依頼・
●キャブのオーバーフロー・ホース交換(溶けてます)
●フューエルホースは抜けかけてます・

<ホイール関連>
★FRONT:MICHELIN COMMANDER3 製造年表記[ 3120 ] 〇
100/90B19 MC54H
センター溝 d=3.46~3.87mm 〇
空気圧 120kPa ✖ →210kPa
Right/ローターt=4.74mm 〇
PAD/Rigth t= OUT/2.55mm IN/2.74mm △
Left/ローター t=4.65mm 〇
PAD/Left t=OUT/2.48mm IN/2.82mm △
★REAR:MICHELIN COMMANDER3 製造年表記[ 3320 ] 〇
130/90B16 MC73H
センター溝 d=5.43~5.58mm 〇
空気圧 210kPa ✖ →250kPa
ローターt=5.50mm 〇
PAD t= OUT/3.84mm IN/3.27mm △
<バッテリー>
預かり時 12.96V アイドリング時 13.87V フル充電後 14.33V △
<其の他>
●スロットルの戻りが悪い ●プラグ交換(ツイン) ●オイル交換等 一連作業終えました。

★あとはミラー交換、リフレクター追加で
予約取れ次第(天候とも相談で)車検取得へと進みます。
今しばらく御時間頂きます。
COLD TURKEY A/S KustomPsychoWorks
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