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★HARLEY-DAVIDSON '05 XL1200

スポーツスター 修繕・作業記録 Vol.02 です。

[ BLOG ] 走行中にパンパン 電装落ちる 修繕記録 Vol.01

イグニッションスイッチの不良(劣化損傷)と
キャブのリセッティングで 実走行問題無く完了でしたが、

セルを押した時だけ、キューキュー?異音が出ます。

過去の事例から セルモーターのワンウェイ・クラッチの
ベアリングの損傷か 軸ブレと推測。

プライマリー廻り バラします。


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XLのスターターモーターは、
プライマリーケース 内側からボルト2点留めです。

ボールポイントのビットなら ギリ外せると言われますが・・
クラッチシェルのスターターリングギアに干渉し トルクが掛けられず外せません・・

1次ドライブ クラッチシェルバラします。


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セルモーターごと外すのですが、
R側 RエキゾーストとFプーリーカバーも脱しないと
モーター ソレノイド部に止められているオイルラインがハズせず
モーターが取り出せません・・

毎度思いますが、整備性が悪いdeath・・・

ほんの数ミリ セルモーターの穴位置ずらしてくれれば
1次ドライブ バラす必要ないんですがね・・

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XLのワンウェイ・クラッチは、各ケースに収まる分部に
2つのベアリングが組まれています。

BTの場合 プライマリーケース側に受けが有りますが
XLには無いので このような形状に成っています。

ゴソっと 新品に交換。
クラッチギアにも、シェルのリングギアにも 損傷は見られません。

折角バラしたので クラッチ板、スプリングプレート等もチェック、計測しました
こちらも OKです!


★組み上げて、作業完了 納車です。


過去の事例で、同じ様に
セルを押すと キューキュー キュイーン・キュイーン異音が出る車両が有りました。


こちらも XL/スポーツスターだったのですが
プッシュロッドカバー 下部オーリングからの圧縮漏れでした。

症状や、異音の音色も 今回の車両と とても良く似ています・・

オイル漏れは無く、この時もワンウェイ・クラッチを疑ったのですが、
プライマリーケースを開ける前に、1段階チェックの方法が有ります。

●セルを押した時だけ 異音がする
●位置特定の為 着火しない様 プラグコードは外す
オイル漏れはなかったが、共通部分なのか 左右どちらかのシリンダーからなのか特定する為に
●両側共 プラグが組まれた状態と、片側外し片側組まれた状態でセルを押していく

その車両は、
両方プラグで塞いだ状態で異音有り
両方プラグを外した状態では 異音無し
F側は外し R側は組んだ状態では異音有り
逆のF側は塞ぎ R側は外した状態では 異音が無かったため、R側の圧縮漏れを疑いました。

結果は、


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RのEX/エキゾーストのプッシュロッドカバーの 下部のオーリングの損傷・・
形が円形では有りませんね・・

ひしゃげた部分が笛の様に成って 圧縮漏れで異音を出していたという事例です
カムケース上部なので、オイル漏れは確認できなかったんですね・

BTなら プッシュロッドカバーは スライドできるのですが
XL等は1体型の為、確認するには へッドをバラさなければ見れません・

この時も悩んだなぁ・・・

オイル漏れはないのに R側のみ圧縮漏れの症状(異音)・・・
オーリング 1個変える為に エンジン・ヘッド バラしですからね・・
経年劣化とは思えず、多分 以前にエンジンを開けた人間の組む時のミスでしょうね・・・


この事例があった為、今回は各シリンダーごとのチェックをし、
左右関係なく異音 つまり共通箇所という事で、ワンウェイ・クラッチを疑ったワケです。

同じような異音でお困りの方
上記の方法で、場所特定してみてください。
しないか・・・


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